学校統廃合

  • 2020.08.11 Tuesday
  • 16:15

新聞記事より。

 

《学校統廃合◆ー治体合併が生む「不安効果」》

 

『 2000年代初頭に全国で進められた平成の自治体合併。その悪影響は小中学校の

 統廃合にも及んでいる。結局、この合併ほど、地方制度をゆがませたものはないだろ

 う。

  もちろん合併がストレートに学校統廃合につながったのではない。むしろ多くの小

 規模町村にとっては、大きな自治体との合併は学校を地域に残すためだったはずだ。

 あそこにくっついていれば大丈夫だと。

  だが現実に起きたことは、全く反対のことだった。自身の生活インフラを守るため

 の合併が、結局は末端からのインフラ外しになっていく。だがそれはどんな過程だっ

 たのか。

  以前検討したように学校統廃合は財政難から起きているのではない。人が心が社会

 が導く。このことを自治体合併を起点にたどってみよう。

  学校統廃合に関してはまず、自治体合併による人の配置の変化が大きい。合併前ま

 では、小規模町村にもきちんと一定の数の職員がいた。その人々が地域人口の基礎と

 なっており、小中学校においても、その子どもたちが、児童生徒の数の大きな核とな

 っていたのである。

  ところが町村役場が合併され都市の市役所に吸収されると、職員とともに子どもた

 ちまでもが地域から抜けることになる。同時期には国・県の現場職員も大幅に減らさ

 れ、農協合併も進んだ。こうした公務員、団体職員の人的配置の都市集中化は当然、

 山村島嶼部での児童数の急激な減少につながっていく。かつての職員の配置には、実

 は人口の適度な分散という隠れた機能があったのだ。

  だがより重要なことは自治体消失による不安効果の方かもしれない。平成の大合併

 は行財政改革の文脈で進められた。それは末端部の切り捨てをにおわせた。切り捨て

 られるのではという不安は事実、今見た公的機関の人員減らしによって現実のものと

 なった。小さな地域では「ここにいては見捨てられる」と不安が先走りし、人々は子

 どもだけはなんとかしようと焦るようになる。

  その際、そもそも小規模町村には高校がないから、子どもの高校進学が転換の契機

 になる。よい高校にいくには中学から都市部へ。そして中学生に引っ張られて家族が

 動くと、小学生の弟妹たちも村から消える。気がつくと自分たちだけが残っていて、

 これでは我が子の将来が心配だと、残った親たちの間でも、中心部の大きな学校への

 統合を進めてほしいとの声が増幅していく。周辺の小規模校から、中心の大規模校へ

 と、人々が次第になだれ込んでいくのである。これがどうも(多くは水面下で)進行

 していた学校統廃合のプロセスだったようだ。

  不安による地域からの子育ての撤退。末端から中心へ、農山漁村から都市への人々

 の移動。その要因に平成合併がなっている。しかもこの不安効果は覿面で、合併して

 いない町村にまで及んだ。

  だがこういうふうに学校統廃合を自治体合併による意図せざる効果として説明でき

 るのは平成期までである。近年はもっと容赦のない計画的な学校統廃合が始まってい

 る。私たちが警戒すべきは今やこれになっている。』

 

次回に続きます。

 

 

 

《幼児体育教室 春涼香(HaRiKa)》ホームページ
  https://ha-ri-ka.info

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>

幼児体育教室 春涼香(HaRiKa)

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM