観光とコロナ禍

  • 2020.06.30 Tuesday
  • 16:10

新聞記事より。先週の続きです。

 

《中央と地方の「いびつな構造」》

 

『 この数年、国を挙げて「稼ぐ観光」が追及されてきた。だが、観光は地方にとって、

 本当に儲かる産業なのだろうか。

  例えば、九州のある山村で、お母さんたちが協力して農家レストランを開業し、地元

 食材を使った抜群のメニューを提供したとする。それがテレビの全国放送で紹介され、

 それを見て東京から1組の家族がこの村を2泊3日で訪れたとしよう。

  家族4人がこの店に落としたお金が3千円。他方でホテルの宿泊代が3万円。頑張っ

 たのは農家だが、その取り分は決して多くない。それでもホテルが地元企業なら、地域

 経済への貢献はどこかで農家にも返ってはくるだろう。

  それに対し、この家族の交通費は新幹線代だけで15万円。これは東京の旅行代理店

 に支払われる。さらに往復の新幹線内の飲食代もあるが、これも地元には落ちない。見

 えてくるのはこういう構図だ。

  観光は、観光コンテンツなしには成り立たない。が、それを担う現場の取り分は全体

 の中できわめて少ないということだ。それに対し、交通・宿泊など観光インフラ産業の

 取り分は大きい。それも地元より、国家レベルで。紹介したテレビ局にもスポンサーか

 ら広告費が入っている。最初のお母さんたちなしにこの観光は成立しないのに、この配

 分はなんとも不公平である。

  なぜそうなるのだろうか。それは当然、日本の人口があまりにも首都圏ほか大都市部

 に偏りすぎており、この人たちの移動に関わる企業も首都圏に集中しているからだ。観

 光業はどうしても首都圏や近畿圏からの客が重要になる。客が動く時、新幹線や航空機、

 ホテル等が使われる。だがそれは中央資本が握っているので、観光で地方への誘客に成

 功しても、使われたお金の多くは中央に回収されてしまうというわけだ。

  だが、それはそれで中央と地方の関係がウィンウィンならばよい。現在の観光業を考

 える時、ここにさらにもう一つ先のいびつな構造を読み取る必要がありそうだ。

  観光はいま、地域間競争の体をなしている。中央からの客を一人でも多く回してほし

 いと、地方が中央に懇願している格好だ。JRが年替わりで誘客するデスティネーショ

 ンキャンペーン(DC)はその典型だろう。

  DCも当初は、JRと各地が協力して日本全体の観光を育てるためのものだった。だ

 がこの10年ほどで、観光は地域間競争に変わったようだ。その競争で、客を送り出す

 側の中央は高みの見物でいられる。どこが勝とうと負けようと、人さえ動けば儲けは得

 られるという、書いてしまうと非常に嫌らしい構造ができあがってしまったようだ。

  しかもこの間の競争は、無理な値下げと消費者への媚びを地方に強要した。だが、観

 光はその地の「光を観る」もの。地域全体が輝いてなくては観光にならない。このやり

 方ではやがて、観光そのものに翳りが表れるのではと心配していたところに、このコロ

 ナ禍である。はたして観光はコロナ後も維持されうるのだろうか。』

 

観光をこのような視点で考えたことがなかったので衝撃を受けました。

世の中の仕組みを深く知ることは本当に大切だと思いました。

この話は来週に続きます。

 

 

 

《幼児体育教室 春涼香(HaRiKa)》ホームページ
  https://ha-ri-ka.info

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